鉄骨?鉄筋?住宅工法がよくわからないあなたに!
住宅工法を徹底解説

住宅の建築には、木造のほかにも鉄骨造や鉄骨造などさまざまな住宅工法があり、どれを選んだらよいのか悩むこともあるでしょう。
家づくりをする際には、希望の住宅性能や住宅デザインによって、ライフスタイルに合った住宅工法を選ぶ必要があります。

本記事では、日本の住宅における住宅工法の種類や、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

住宅工法によって家づくりの幅は広がります。
基礎から把握することで、後悔しないマイホームが実現するでしょう。

住宅工法とは

住宅工法とは、建物の躯体をつくる工法であり、住宅を建てるさまざまな手段です。
住宅工法はさまざまに分類されますが、大きく分けて5つの種類が存在し、それぞれにメリット・デメリットがあります。
家を建てる際には、防音性能や耐震性能など、住宅性能を考量する事項に合わせた工法を選択することが重要です。

ここからは、5種類に分けた住宅工法のそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
家族が快適に暮らせる理想の家をイメージしながら、候補を絞っていきましょう。

代表的な5つの工法と各自のメリット・デメリット

住宅を建てるときの代表的な5つの工法は次の通りです。

  1. ・木造軸組工法
  2. ・ツーバイフォー工法
  3. ・プレハブ工法
  4. ・壁式鉄筋コンクリート造
  5. ・鉄骨造

それぞれどのような工法なのか、メリット・デメリットを解説します。

木造軸組工法とは

木造軸組工法とは日本の伝統的な住宅工法であり、在来工法とも言われる工法です。
現在でも木造住宅においては、一般的な家の建て方と言えます。
コンクリートでできた基礎の上に木材である柱と梁を組みあげ、筋交いで軸組みをつくる構造となっています。
木造軸組工法のメリット・デメリットは次の通りです。

メリット:間取りやデザインが比較的自由、建築コストがかかりにくい
デメリット:職人の力量次第で品質にバラつきがある、工期が長い

柱や梁が主な構造体であるため、広い空間を確保可能です。
広々としたLDKや吹き抜けが設計できたり、開口部を広くとり大きな窓を設計したりもできます。
将来的に増改築が必要になったときは、ほかの工法よりもスムーズに設計・工事が進みやすいメリットもあります。
また、構造部が木材であるためコストがかかりにくいのも、多くの住宅で採用されるポイントです。

住宅の耐震性は筋交いの接合部を耐震用の金具にしたり、ダンパーなどで補強したりとアレンジ多用です。
遮音性については、気密性を上げることで対応可能です。
コストや性能とのバランスを考えながら、ライフスタイルに合った家づくりが可能と言えるでしょう。

現場での職人の力量により完成度が左右される木造軸組工法では、腕のよい大工がいる施工会社選びが重要です。
半年ほどの工期がかかるため、入居までに時間に余裕のある方に向いている住宅工法です。

ツーバイフォー工法とは

ツーバイフォー工法とは、角材のサイズを2×4(ツーバイフォー)サイズに統一し、柱と柱の間に石膏ボードなどのパネルを張り巡らせる、北米を発祥とした工法です。
別名は「木造枠組壁工法」です。
角材のサイズが2×6であればツーバイシックス、2×8であればツーバイエイトとも呼びます。

ツーバイフォー工法のメリット・デメリットは次の通りです。

  1. メリット:面で支えるから地震に強い、気密性・遮音性が高い、工期が短い
  2. デメリット:間取りの設計に制限がある

柱と柱の間にパネルをつなぐようにつくられる構造のため、面が多くなります。
そのため、構造体に加わる力を分散しやすく、耐震性が高い特徴があります。
また、パネルがあることで気密性が高くなり、気温や騒音などに影響されにくい機能性の高い家づくりが可能です。

同じ木造の住宅工法であっても、木造軸組工法よりも現場での工程が簡略化されており、工期が短くなるメリットがあります。
職人によって家づくりに差が出るといったこともあまりないでしょう。
工期も2ヶ月ほどと、短期でマイホームが完成します。

デメリットは、間取りに一定の制限があることです。
大開口な間取りなど、広々とした抜け感を演出するのは難しいでしょう。
また、リフォームが難しいケースもあるため、将来的におこなう予定があれば家づくりの段階である程度確認しておくと安心です。

プレハブ工法とは

プレハブ工法とは、工場であらかじめつくった部材を現場で組み立てる工法です。
プレハブ工法のメリット・デメリットは次の通りです。

メリット:品質が安定している、工期が短い、建築コストがかりにくい
デメリット:設計の自由度が低い

工場で部材をつくり、現場では組み立てる作業がメインのため、品質が安定しています。
職人により、家の出来の良し悪しが左右されることも少ないでしょう。
プレハブ工法は建築コストがかかりにくいため、低予算で家を建てたい方におすすめです。
しかし、建材が規格化されていることから設計の自由度は低く、こだわりの家づくりをしたい方には思った通りのプランニングは難しいでしょう。

プレハブ工法で建てられる建築物は、仮設住宅やコンテナ型の事務所だけではありません。
戸建て住宅にも当てはまり、次の工法に細分化されています。

  1. ・木質系(木材)
  2. ・鉄骨系
  3. ・ユニット系
  4. ・コンクリート系

木質系は不燃建材の石膏ボードが使われることから火災に備えられるほか、気密性・耐震性も高い特徴があります。
鉄骨系は工場で鋼材を加工して骨組みをつくって現場で固定するため、工期が短く、コストも安定しています。

ユニット系は箱型ユニットを組み合わせる工法であり、プレハブ工法の中で最も工期が短く将来的な増築も可能です。
コンクリート系は工場でコンクリートパネルを製作し、現場で組み立てます。
耐久性に優れていますが、外気温に影響されやすい特徴があります。

壁式鉄筋コンクリート造とは

壁式鉄筋コンクリート造とは、型枠にコンクリートを流し込み、基礎や壁、床などをつくる工法です。
壁式鉄筋コンクリート造のメリット・デメリットは次の通りです。

  1. メリット:開放的な間取りが叶う、耐震性・耐火性・遮音性が高い
  2. デメリット:工期が長い、建築コストが高い

一般的な木造住宅とは異なり、柱や梁がなく、耐力壁やスラブ(一体式構造における床面)といわれる面材のみで構成されています。
設計の自由度が高く、デザイン住宅を建てる方におすすめです。
3階建て住宅のほか病院や老人ホームなど、多くの施設で採用されている住宅工法です。

コンクリートでできているため、住宅性能は高いと言えます。
とくに耐震性に優れており、過去に発生した大地震において、壁式鉄筋コンクリート造の建物が倒壊・崩壊したケースは稀です。
地震に備えるという点では、壁式鉄筋コンクリート造に勝る工法はないと言えるでしょう。

コンクリートで固める作業は天候に左右されやすく、養生期間は長くかかります。
ほかの工法に比べて建築コストがかかるため、時間・資金に余裕がないと家づくりは難しいでしょう。

鉄骨造とは

鉄筋造とは、柱や梁に鋼材が用いられる工法です。
鋼材の厚みにより工法の名前は異なり、6ミリメートルであれば「軽量鉄骨造」、6ミリメートル以上であれば「重量鉄骨造」と呼ばれます。
鉄筋造のメリット・デメリットは次の通りです。

  1. メリット:設計の自由度が高い、工期が短い、耐震性が高い
  2. デメリット:建築コストが高め、断熱性能が期待できない、地盤に左右される

丈夫な鉄骨が構造体となるため、開放的な空間も設計可能です。
工期は4ヶ月ほどです。
鉄骨にはしなる特性があるため、揺れるエネルギーを吸収します。
そのため、地震に備えた家づくりが可能です。

重量鉄骨造においては、3階建ての戸建て住宅にも対応可能であり、アパートやマンション、ビルなど多用途にも用いられる工法ですが、建築できる施工会社が限られます。
一般的な木造軸組工法よりも建築コストがかかることや、鉄骨の熱が伝わりやすい特性により断熱性能が低いデメリットがあります。

内部結露のリスクがあるため、断熱施工や防湿施工が必要になるでしょう。
また、重量のある構造体のため、軟弱な地盤には地盤改良が必要になるケースも考えられます。

まとめ

住宅工法とは、建物の躯体をつくるための工法であり、主に木造軸組工法、ツーバイフォー工法、プレハブ工法、壁式鉄筋コンクリート造、鉄骨造の5種類があります。
木造軸組工法やツーバイフォー工法は木材を主としており、建築コストが比較的かかりにくいです。
住宅工法における鉄骨造では、建築コストは高めですが、設計の自由度が高いなどの特徴があります。

ライフスタイルや理想に合った住宅性能や住宅デザインの選択肢が広がるため、住宅工法にこだわることは、家づくりにおける重要なポイントです。
各特徴をもとに、自分たちに合った住宅を建てることが大切と言えるでしょう。

住宅公園では、各社で異なる家づくりについて、詳しく相談できます。
どのような住宅にするかで悩んだら住宅公園へ、ぜひお気軽にご来場ください。

お役立ちコラム 一覧へ